緋衣汝香優理★水迷宮

人形作家、緋衣汝香優理のお仕事と日常


moment

  1. 2017/02/05(日) 13:18:23..
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コルメキッサの人形展「moment」に参加中。
店主に古い作品ありませんか?と訊かれたのだった。
コンセプトをお聞きし、では、と出品したのは、1992年作のラグドール。
大抵の人形は仕舞ってあるが、此の人形は飾りっぱなしにしていた。
月日は降り積もり、古ぼけて綺麗とは言えない状態だが、まあ、此れも味わい、と言えなくもない。
明瞭り言えば薄汚い。
こういう企画でもなければ二度と人目に触れる事も無いと思って出品した。

薄汚い、と言えば、思い出がある。
古い話である。
人形、というものが今ほどなかった時代で、創作ものというと、代官山の仏蘭西館、目白の竹取物語、その程度だった。
東高円寺の駅近くにあった2階の喫茶店、木製の椅子や卓が並び、レンガ造りの暖炉があり、暖炉の中には古いガスストーブがあった様に思う。暖炉そばにドライフラワーが下がっていて、銀の飾り物がマントルピースの上に所狭しと並ぶ、そんな中に人形があった。
それは、系統で言えば辻村ジュサブロー系、布貼りの抱き人形で、目は玉虫色に塗られていた。
飾りっぱなしになっていたものだろう、埃が降り積もり、文字通り薄汚れた人形だったが、その汚れ具合がなんとも言えない様子で、周りの装飾品と馴染み、魅力的に見えた。
貧乏学生で、喫茶店に入るのはあまりなかった事で、何度も通った訳でもないのに覚えている。

此の当時、私でもよく行ったのは中野のクラッシックという喫茶で、此処は暗い店内に常にクラッシックが爆音で流れ、水はカップ酒の空き硝子で出て来るような処で、珈琲に付いて来るクリームの入れ物もマヨネーズやら何やらの蓋だった。
珈琲が安くていくら居ても良いのでこちらはよく通った。

薄汚れた人形から、芋蔓式に現れた思い出である。

さて、其の様に魅力的かどうかはわからぬが、1992年の人形である。
こういう顔はもう創ろうとも思わないが創れなくもある。
もしも誰かとご縁が持てたなら、其れは嬉しい事である。

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コルメキッサ kolme kissaaブログ

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