緋衣汝香優理★水迷宮

人形作家、緋衣汝香優理のお仕事と日常


胡粉塗りの話

  1. 2017/10/01(日) 13:41:10..
  2. 人形制作
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胡粉を塗っては磨く永久ループに突入。
生地に胡粉が乗ると、途端に不必要な凹凸が目につく様になる。
此れは不思議だ。
胡粉作業を円滑に進める為にも綺麗に磨いたつもりで、其れでも必ず不要な凹凸が目につく。
此れを解消するまで塗っては磨くを繰り返すのだ。
実は真っ白な胡粉で目立つ様に思えた凹凸も肌色が乗り、彩度が落ちた時点で目立たなくなる事は分かっている。
だが、胡粉仕上げにおいては完璧を目指したい。
ゴールは自分がO.K. 出せる迄。いつゴール出来るか皆目見当がつかない。
何度も塗って磨いている内、形状によっては生地が出る。
生地は水溶性の石塑だから、水ペーパーで鑢をかけていると生地が溶ける、へこむ。
胡粉木屎で盛る、塗る、鑢る、其の繰り返し。
そんな訳で塗りの回数はやたらと多くなる。

胡粉木屎は野口晴朗氏の伝統技法の書籍によれば、胡粉木屎又は木糞、此れは極弱い膠で練った胡粉(昔は水練りだったらしい)で形を整える為に盛り上げるものだが、此れは膠胡粉の話である。
膠と云うのは難しくて、日本画で習った記憶によれば、下の膠は強く、上に置く膠は徐々に弱くして行かなければならない。
下より強い膠を上に置くと罅割れる。
人形の伝統技法の膠の使い方でもやはり地塗り、二へん塗り、中塗り、上塗りと徐々に膠を薄くして行く。
置き上げ胡粉は膠を強く(地塗りより強くてはいけない)、胡粉木屎は膠を弱くするそうである。
此れ等は罅、気泡を防ぐ為に、又、上に乗せる胡粉の乗りを良くし、剥落を防ぎ、堅牢な塗装にする為の技法である。

ところで今私が使っているのはボンド胡粉である。
ボンド胡粉は耐久性に優れている。耐水性もある。
膠胡粉と風合いは違うが、気候も変わり、家の気密性も変わった現代ではひょっとするとボンド胡粉の方が現代の環境に合っているかもしれないと野口氏も記している。
野口氏は作品が海外を回って帰って来た時のダメージからも考えて、考案し、試してもみたようである。
伝統技法の書籍だから、膠胡粉の作り方は何頁にも渡って懇切丁寧に解説しているが、ボンド胡粉に関しての記載は淡白りしている。
木屎に関しては記載がない。
ただ、鑢は耐水ペーパーを勧めている。(膠胡粉の場合は地塗り、二へん塗りはサンドペーパー、中塗り以降は水拭き)
最初、膠胡粉の木屎の様に水練りした胡粉を盛ったが此れは失敗だった。
水練りの胡粉は糊の成分が入っていないから、水ペーパーで耐水性の高いボンド胡粉の層が無くなると石塑同様溶け去る。
木屎の盛り上げが形状として完璧ならば問題ないかもしれないが、そうでなければほぼ無駄骨に終わる。
其処で地塗りと同じボンド胡粉で、水で伸ばす前の濃度の濃いものを盛り上げる様にしてみた。
此れなら水ペーパーにも耐え得る。
必要ならば置き上げとしても使える。
吉田式として書籍にもあるボンド胡粉の作り方は、書籍が出るよりずっと以前に当時ピグマリオンの講師をしていた渡邊素子女史に教わって試した。
胡粉そのものは地塗り胡粉を使うが、やり方は上塗り胡粉の作り方に近い。
野口式の方は地塗り胡粉と上塗り胡粉を調合する。
作り方は地塗り胡粉とも上塗り胡粉とも違うが、どちらかと云えば地塗り胡粉の作り方の方に近い。
上塗り胡粉の作り方程大変ではない。
(因みに地塗り、中塗り、上塗りと称しているのは我流である。上塗りと称するものは胡粉の調合を変えている。地塗りを胡粉で油彩、アクリル等で彩色したものを除いて最初の胡粉仕上げから17年経過しているが、罅、剥落、関節の固着などの問題はない)
最近では胡粉塗料なるものも販売されているらしく、未だ試してはいないが、練らなくてよいとなれば随分と簡易な事であろう。
胡粉に関して書くのは初めてだが、丁寧に仕事をすれば良いと云うものでもない、と今時のシーンを見て思う。自分にセンスがあるや否やと云う問いは結局他人の評価に任せるしかなく、自分の拘りを貫く以外に何の手もない。
   
曼珠沙華の塗りだが、形状が完璧と思われた処で地塗りは終了、此れから中塗りに入る、そんな処へオーダー制作が入った。
有り難い事である。
其の話は又次に譲るとしよう。
ばばあは話が長いからな!←自分(笑)



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「人形写真の現在2017」無事終了

  1. 2017/09/02(土) 22:10:03..
  2. 展示
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右に表示されるプロフィール欄にTwitter、FaceBook、Instagramのリンク追加しました。
インスタグラムは始めたばかりで未だ慣れてませんが、過去作をアップして行くのにはまってます。
Twitterは時々阿呆な事呟いてます。

さて、会期延長した「人形写真の現在2017」も無事終了致しました。
お誘い戴きましたキュレーターの黒戸純氏、銀座人形館スタッフの皆様、参加作家の皆様、お越し戴きました皆様に感謝致しております。

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額装した写真はインスタグラムで見られます。
宜しかったらご覧下さい。
また、販売もしておりますので、ご希望の方は銀座人形館にお問い合わせ下さいね。
同時展示した人形「霞色のリボン」も同じく銀座人形館にございます。



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たいせつなひととき

  1. 2017/08/27(日) 01:42:58..
  2. 展示
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「オマージュ渋澤龍彦-悪徳の栄え-そのエロチィシズムと背徳の美学」展は無事終了致しました。
出品なさった皆様、お越し下さいました皆様、スパンアートの皆様、本当に有難うございました。

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写真は搬入時のもので、紅い薔薇の花弁が未だ瑞々しい。
会期中にエアコンの効いた会場内で少しずつ乾燥し、最終日には綺麗にドライフラワーになっていました。
今回の展示で使った物騒な汚れ付きのファブリックは1989年、帯広展で使って以来の使用。
撮影には使用したけど、展示で使うのは2度目。
全部払ったと思われた硝子の破片が一個出て来ました。
折角だから一緒に展示。
当時は凄い匂いしましたけど、今は色も褪せ、匂いもしません。
正体はワイン。

初日には雲の上の方々勢揃いでした。
出品作家のひとり、建石修志氏、桑原弘明氏は敬愛する作家さんで展示でご一緒出来るとは夢の様でした。
四ツ谷シモンさんがいらして、褒めて戴けたのが本当に嬉しかったです。
(シモンさんのツイート)
オープニングパーティーで少しワインの入った私は感激のあまりシモンさんの手をぎゅっと握っていました。美大生の頃、原宿駅に掛かっていた大きなエコール・ド・シモンの看板を見上げていた事を思い出し、シモンさんにそう伝えました。
当時、貧乏学生だった私は人形教室に入る事が出来なかったとも。
様々な事が走馬灯の様に蘇るひとときでした。
そして、大切な宝物になったひとときでした。

人形教室に関しては語りたい事もあるのですが、其れは次の機会に致します。
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1週間ほどおいて、次は「人形写真の現在 2017」の展示です。

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8月18日(金)〜29日(火)
銀座人形館AngelDolls
豊浦正明×山吉由利子
氷住羊×秋山まほこ・陽月・吉田良
吉成行夫×清水真理
因間りか
岡馬勲
緋衣汝香優理

もう後少しで終了ですが、写真3点と共に「霞色のリボン」も同時展示です。
どうぞご覧にいらして下さいませ。



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展示のご案内

  1. 2017/07/23(日) 17:08:39..
  2. 展示
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コルメキッサ企画展
LE Retour 〜ル・ルトゥールは盛況のうちに終了しました。
沢山の作家様たちとご一緒出来、本当に有り難い事でした。

あらためて展示の告知をします、

2017:07:22 s

「オマージュ渋澤龍彦-悪徳の栄え-そのエロチィシズムと背徳の美学」展

2017年7月29日(土)~8月8日(火)最終日17:00
銀座スパンアートギャラリー

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翠玉と写真作品3点を出品します。
翠玉はジュリエットの犠牲者をイメージした展示にするつもりです。
最後に雷にうたれ死ぬ妹のジュスチーヌかフォンタンジュか、はたまた暖炉で焼き殺される愛娘マリアンヌか、誰に見えるでしょう。
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銀座人形館AngelDollsのサロン展「人形写真の現在 2017」
2017年8月18日(金)-23日(水)

少年写真3点出品します。
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今週木曜日には搬入です。
翠玉用に段ボールで箱を拵えました。
良い展示にしたいです。
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6歳児等身大人形、最初に創ったのは「少女伽藍」(元DEJA-VU)の少女でした。
撮りためた絵物語は「少女伽藍」とタイトルを変え、出版されました。
今思い返しても有り難い事でした。
敬愛するミルキィ・イソベさんの装丁だった事も嬉しかったのです。
次に少年を5体創りました。
ひとつは血腥い物語となって結実し、ひとつは未だ進行形。
そのどちらも2005年の「GOLDEN YEARS」展で発表しました。
此の時発表した「WALL CHILDREN」の撮影は伽井丹彌女史の協力を得て、大胆にも帯広でのロケを行いました。
此れは本当に有り難い事で、彼女の協力あってこそ、「WALL CHILDREN」は完成をみたのです。
次に鳥取の仁風閣で個展開催にあたり、更に少年3体少女1体を創りました。
2008年「硝子の翅をもつ子供たちは永久螺旋の夢を見る」展では、撮影許可を得て、更に夢の欠片を紡ぎ出す事が出来ました。
彼らは私の小さな役者さんたちです。
紡いだ物語の欠片の展示機会を戴いて本当に嬉しいと思います。

スパンアートギャラリーでは、サドの悪徳の栄えと云うテーマから、「WALL CHILDREN」の内、3点を、銀座人形館AngelDollsのサロンでは「GOLDEN YEARS」から3点の写真を展示します。
どうぞ宜しくお願い致します。



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喘息安静中、色々考え中

  1. 2017/06/26(月) 01:47:59..
  2. 人形教室
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先週日曜、夜、咳が酷くて風邪引いたなと思ったら、翌日、熱が出て寝込んだ。
水曜、熱も引いて来てもう大丈夫かなと思ったが、咳が兎に角酷い。
木曜、此の苦しさはただ事じゃない、と思って病院に行ったら、喘息と診断された。
吸入と点滴を受け、休んだ。
症状に合った薬(錠剤と吸入剤)のお陰で楽になって来てはいるが(風邪薬が効かなかったのは当然だった)、一応安静第一で、PCの前に座り込んでいた。
そんな訳で、普段放置し放題のブログを連日で更新した。
我ながら珍しい事してる。

さて、Twitterではちょこちょこ書き込んでいるが、先日の教室のお話でも。

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生徒さんの人形が完成した。
紫が好きと仰る生徒さんで、瞳もヴァイオレットを選んだのだが、アイシャドウとルージュも紫系。
頭身的には性徴期を迎える一寸手前、頭はまだ少し大きく、胸もぺったんこなカンジのキットだったので、仕上がりはわりと大人っぽくなったなという印象。
乾き待ちなぞの合間にサンダルのベースを造って貰っていた。
どんなデザインにするかは生徒さんのお好み次第だが、こうしたい、と云うのがあれば其の様に指導する。
ボネに関しては少し話したが、衣装の方はどんな風にしたいんだろう?
暫くは縫い物系な教室になるのかな?
あまり縫い物は得意ではないが、なんとかなるだろう。

利根川挟んでこっちもあっちも人形ってあまり知られてない気がする。
ネットで情報集める様な意欲的な方は地元とばして東京行っちゃうもんね。
教室のアピールの為に守谷での展示を画策するが、此れも中々苦戦中。
柏もそうだが守谷にギャラリーって殆どない。
それではカルチャーのあるジョイフルの店舗内で、と相談するも、此れも捗々しくない。
ジョイフルは店舗によってギャラリー設備のある所もあるが、残念ながら守谷にはなく、色々中々難しい。

久々の個展を守谷で、と数年来思ってはいるが、実現は心もとない。



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